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不安定とは

テレビの天気予報などで「不安定」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。どういう意味で、具体的に何に注意をすればよいのか、解説します。

大気の状態が不安定

天気予報で使われる不安定は「大気の状態が不安定」ということを意味しています。大気の状態が不安定とは、強い上昇気流が発生しやすい状態のことです。

例えるならば「火種のないガソリン」のようなものです。不安定なだけでは、大雨どころか雨すら降らないということもよく起こります。

しかし、上昇気流という火種さえあれば、大爆発ということも。その場合、積乱雲が発生し、ゲリラ雷雨や大雨の原因になるのです。

上昇気流発生の原因

火種となる上昇気流を発生させる原因には、低気圧・前線・山の斜面・風の衝突などがあります。

天気予報で「不安定」という言葉を聞いた時には、合わせてどのような言葉が使われているか、注目してみてください。使われる言葉が違えば、天気も大きく変わります。

不安定と低気圧や前線

例えば、低気圧や前線は、広範囲で上昇気流を発生させるため、広範囲で雲が発達し、大雨を起こす恐れがあります。

さらに、低気圧や前線は積乱雲だけではなく、色々な雲を広範囲に発生させるため、曇りや雨が降る範囲が広くなります。

この場合、天気予報ではとにかく「大雨に備えてください」ということをしっかりと伝えます。

風の衝突

前線や低気圧と違い、少々厄介なのが風の衝突です。上昇気流が広範囲で発生する状況ではないですが、所々で風の衝突が起こり、局地的には大雨になるという状況です。

局地的に起こる風の衝突を、ピンポイントで予想することは非常に難しいため、どこで大雨になるかが分からない、これが「ゲリラ雷雨」です。

多くの地域では穏やかで晴れているため、大雨への警戒は薄くなりがちです。しかし、油断していると、道路冠水など大きな被害が発生するのです。

この場合、天気予報では「晴れ」と「大雨」を同時に伝えることになるため、伝える側も受け取る側もとても難しくなります。

不安定と聞いた場合、まずは「大雨が降る可能性がある」ということを、頭に入れておいてください。大きめの傘を持って出かけるなど、実際大雨になった時のことを考えた対策をしておくと安心です。

また、天気が晴れていたとしても、急に大雨になる恐れがある、という知識を頭に入れておくことも大切です。

提供:株式会社ウェザーニューズ