噴火警戒レベル
現在の状況
2月3日から6日15時までの期間中、中岳第一火口で噴火は観測されていません。白色の噴煙は、最高で火口縁上300mまで上がり、夜間に高感度の監視カメラで火映が時々観測されました。
現地調査では、中岳第一火口内には緑色の湯だまりを確認しました。土砂噴出は観測されていません。湯だまりの表面温度は約40度で、湯だまり量は2016年10月12日と比べて増加していました。
南側火口壁では、2016年9月11日の観測と比べて熱異常域が拡大しており、最高温度は約660度と一部で高温になっていました。また、火山ガスの放出量は1日当たり900から1000トンとやや少ない状態でした。
火山性微動の振幅は小さな状態で経過しています。火山性地震と孤立型微動は少ない状態で経過しています。傾斜計では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
GNSS連続観測では、2016年7月頃から認められていた、草千里深部にあると考えられているマグマだまりの膨張を示す基線の伸びは、11月中旬以降は停滞しています。
火山ガスの放出量が2016年12月下旬までやや多い状態で経過していたことから、引き続き火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があります。
阿蘇の天気
今後の注意事項
中岳第一火口からおおむね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
風下側では火山灰だけでなく、風の影響を受ける小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため、注意してください。また、火山ガスにも注意してください。
阿蘇市、南阿蘇村では、火口周辺で入山規制などの警戒をしてください。
過去の噴火
2016年10月8日 爆発の様子
阿蘇山の中岳第一火口では、2016年10月8日1時46分に爆発的噴火が発生し、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。
2015年9月14日 爆発の様子
阿蘇山の中岳第一火口では、2015年9月14日9時43分に小規模な噴火が発生し、灰色の噴煙が火口縁上2000mまで上がりました。
ウェザーリポーターさん(熊本県菊池郡)