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2016年 台風10号

過去例のない、記録的な台風となった10号(ライオンロック)。その発生から消滅までの一生を振り返ります。

台風10号の軌跡

生まれてから消滅するまでを追った、約1分ほどの映像をご覧ください。

こうして見ると、なにか、意志でも持っていたかのような不気味な動き。なぜこのような進路をたどったのか、まとめています。

進路まとめ

誕生:目的を見失って南下

8月19日に発生した台風10号は、9号や11号の影響もあり、高気圧縁辺の南風の流れから弾き飛ばされてしまいました。

日本の南海上をゆっくりと西進するという、いつもの台風の動きとは逆行するような不思議な進路を取りました。

迷走:南西諸島の周辺に停滞

南下を続けた台風10号は、南西諸島の周辺で動きを鈍化し、ほとんど動かなくなり、迷走していました。

そして、8月24日、雲の中心付近に「台風の目」が現れてきました。

急旋回:目覚めた台風がUターン

モンスーントラフとは、台風が発生しやすい場所であり、日本のはるか南海上に現れる、大きな低気圧性循環(反時計回りの風の流れ)のこと。

台風10号は、このモンスーントラフ内の風の流れに沿って、東に進み出したと考えられます。

史上初:東北太平洋側へ

8月30日に岩手県の大船渡市付近に上陸し、その後21時頃には日本海へ。1951年の統計開始以来、岩手県に最初に上陸したのは初めてとなる、史上初のルートをとりました。

異例台風がもたらした被害

史上初のルートをとった台風10号によって、岩手県大槌町では48時間の雨量225mmとなり、8月として、史上観測1位という記録的な雨量となりました。

また、北海道十勝地方の上士幌町ぬかびら源泉郷は、降り始めからの雨量が329mmで8月の平年値の約1.7倍を記録しました。

そして、北海道や岩手で大雨による甚大な被害が発生しました。

最高齢となった台風10号

台風10号は日本付近で生まれた台風としては、観測史上記録的な「長寿」台風でした。

台風の期間は最終的に11日と3時間。「長寿」台風として、46年ぶりの記録更新となりました。


2016年台風アーカイブ

2015年台風アーカイブ

提供:株式会社ウェザーニューズ