進路まとめ
台風12号はとにかく、進みが遅い台風でした。自転車並みの速度で、九州の南を北上。上陸前は時速7kmと、人が早歩きする程度までスピードを落として、近づいていきました。
この遅さの原因は、台風を「押す」ものが無かったためです。台風は渦巻く動きこそ力強いものの、自力ではあまり動けません。
大抵は太平洋高気圧の周りをまわる風、あるいは、上空の高いところを西から東へ吹き抜けているジェット気流、このいずれかの風に押し流されるように、進んでいきます。
台風12号が日本付近を北上する際、高気圧もジェット気流も遠い所に位置していたため、動く術がなくノロノロと進み、日本海側に進んで、ようやくジェット気流に乗り、東へ進みました。
台風10号と比べるとコンパクトな台風12号。台風10号の強風域の最大直径は1050kmだったのに対して、台風12号は300km程度でした。
台風本体の雲も小さくまとまっており、荒天が急にやってくるというのが特徴でした。
台風自体はコンパクトでも、湿った空気を西日本に送り込み、宮崎や高知などに強雨をもたらしました。