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2016年台風まとめ

2016年の台風は、特徴的となりました。台風調査も含めて、詳しく振り返ります。

異例の上陸数

上陸数は過去2番目に多い

2016年は、1号の発生が7月と非常に遅くなりましたが、7月以降は遅れを取り戻すかのように、立て続けに発生しました。

そして、10月までの発生数は22個と、平年の発生数に並びました。2016年の上陸数は6個で、観測開始以来2004年の10個に次ぐ2番目の多さとなりました。

また、今年の上陸は8、9月のみで、2ヶ月間としては過去最多でした。

接近数は11個

2016年の台風で、日本本土に接近したのは9個。こちらも統計開始以来、2位タイの多さです。

そのうち沖縄への接近は7個で、接近数としては平年並み。ただ、例年は7月から接近が増え、8月にピークを迎えるのに対し、2016年は4個接近となった9月がピークと、その時期のズレが目立ちました。

なお、9月に4個接近したのは、過去2位タイの多さとなっています。

異例の上陸数・接近数となった背景には、台風が異例のコースを通ったことが挙げられます。

異例のコース

8月から9月はじめにかけて、相次いで日本に接近・上陸した台風は、例年のこの時期のコースとは異なり、南から北へ向かうものが多くなりました。

相次いで北海道に上陸し、東北の太平洋側への台風上陸は、観測史上初めてとなりました。

この原因は高気圧で、2016年は太平洋高気圧の位置が例年と異なっていました。

原因その1

例年は日本の南海上で強くなる高気圧が、8月中は日本の東の海上で強くなりました。

このため、高気圧の縁に沿って北上する台風は、相次いで日本列島を北上して、北海道や東北地方に大雨災害をもたらしました。

原因その2

その後、台風13号、16号、18号は、それまでの台風のコースと異なり、本州南岸を東進しました。

9月になると、太平洋高気圧は南側へ位置を変えて、やっと本来の位置である日本の南海上で強まりはじめました。これにより、台風の通るコースも変化して、本州付近を東進するコースとなりました。

記録的な雨・風

異例ずくめだった2016年台風は、その及ぼした影響でも記録的となりました。

大雨

北海道は立て続けの台風で、未曾有の大雨となりました。

8/16~31の半月の雨量
・上士幌町(ぬかびら源泉郷)858.0mm
 →年間1315.0mmに対して8ヶ月分
・釧路市(阿寒湖畔)    627.5mm
・羅臼町(羅臼)      595.0mm

東北は台風10号の上陸で、集中的な豪雨となりました。

1時間最大雨量(いずれも観測史上1位)
・久慈市(下戸鎖)     80.0mm
・岩泉町(岩泉)      70.5mm
 →過去の記録50.0mmから大幅な更新
・宮古市(宮古)      80.0mm

暴風

最大瞬間風速
・釧路市(釧路)      43.2m/s
 →観測史上1位を記録
・久米島          56.8m/s
・久米島空港(北原)    59.7m/s

台風調査を実施

ウェザーニュースでは、2016年10月21日〜23日の3日間にわたり「台風調査」を実施しました。

2016年の台風について、様々な角度から振り返っています。詳しくは続きをご覧下さい。

「今年の台風はどうでしたか?」と質問したところ、「かなり変」「なんか変」と回答した合計は、全国で94.2%にのぼりました。


2016年台風アーカイブ

2015年台風アーカイブ

提供:株式会社ウェザーニューズ